ここで、その「乳酸菌の科学と技術(学会出版センター)」という書籍のデータも交えてワンちゃんの腸内細菌についてもう少し詳しく紹介したいと思います。

ワンちゃんの腸内フローラは、生後間もなくから発育にともなって著しく変動します。
まず、生後間もなくすぐに腸内に大腸菌群や黄色ブドウ球菌が出現します。そして、生後1ヶ月くらいにはすでに腸内に多種の悪玉菌と呼ばれる細菌がみられるようになります。

また、生後1年以下、4~6歳、11歳以上と加齢による腸内フローラの変化を調べるとやはり、Bifidobacterium(ビフィズス菌の一種)のような善玉菌が減少して、悪玉菌が増えてくるようです。

これは、普段の食事や生活環境、季節などにももちろん影響されます。特に、食生活は腸内フローラの構成に大きく関わっているようです。すなわち、毎日の食べ物によって腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスがかなり影響されるのです。

このように学術文献や実際の研究結果から考えられることですが、ワンちゃんのお腹の健康にとってとても大切な腸内の善玉菌は1歳を過ぎる頃には、すでに悪玉菌にとって代わられていってしまう可能性があるということです。

しかし、毎日の食べ物に気を付けていれば、子犬の頃から腸内に住んでいる善玉菌を維持することも可能になるのです。