結局、ワンちゃんの腸内環境を維持、改善する物質(シンバイオティクス)を探すために実行したことは膨大な数の科学論文を探すことからでした。

現代ではインターネットで米国国立医学図書館(Medline)のデーターベースを無料で検索することができます。
とりあえず、私たちはintestinal immunity(腸管免疫)と disease(病気)の2つのキーワードを組み合わせて検索してみました。すると1964年から2007年までに4,096件もの論文が発行されていたのです。

このような科学的根拠に基づいて行う治療は「Evidenced Based Medcne :
EBM」と呼びますが、これは人間だけに限ったことではなくて、大切な家族の一員であるワンちゃんへの治療も「EBM」すなわち科学的根拠に基づいて行わ
れるべきだと思います。

しかし、残念ながら多くのサプリメントと呼ばれるようなものは、この科学がほとんどついてきていないのが実情だと思います。
ですから、インターネットで入手できるワンちゃん用のサプリメントの情報の多くが、単に人間用のものを転用したりしているのです。

私たちは、まずこれらの4,000件近い論文をざっと見て、科学的に根拠のありそうなシンバイオティクスの素材を調べてゆきました。

すると(結果はとてもシンプルだったのですが)、やはり胃酸にも負けない生きた善玉菌(プロバイオティクス)と腸の善玉菌を増やしつつ腸管免疫を活性化する植物成分(プロバイオティクス)の単純な組み合わせがシンバイオティクスとして効果的だと結論づけました。