これまで、抗生物質が腸内の善玉菌を死滅させてしまうことを
お話してきましたが、「抗がん剤」はどうなのでしょうか?

一口に「抗がん剤」といってもさまざまなタイプのものがあるので
一概には言えませんが、獣医さんの処方する抗がん剤の多くは
がんそのものを死滅させる働きのある毒性の強いものを使います。

ですから、使い方をどんなに注意しても副作用が出てきてしまいます。

その抗がん剤の副作用の一つに「消化器障害(下痢など)」が挙げられます。

その理由は、抗がん剤の強い毒性によって、腸の粘膜や細胞がダメージを受けて
ボロボロになってしまうことが知られています。

通常ならば、食べ物を消化して栄養素を吸収する働きのある腸管ですが
その働きが損なわれてしまうとどのようなことが起きるか簡単に想像できると思います。

抗がん剤の使用

副作用

腸管のダメージ

栄養素の消化・吸収阻害

栄養不良

免疫や体力の低下

となってしまうのです。

ですから、腸内環境の観点から言っても
抗がん剤の副作用を最小限に食い止める治療方針が重要となります。