「うんちが固い、便秘症の犬を治す!」
Q;
バーニーズ・マウンテン・ドッグのテゾーロくん
(オス、1才3ヶ月)は毎日規則正しい生活をし、
快食、快眠、快便です。
いつも午前6時におきます。
そして1時間ほど散歩した後、朝ご飯を残さずに食べます。
通常散歩途中に1〜2回うんちをします。
うんちは固くもなくやわらかくもなく、ウエットティシュで簡単に掴めます。
色はからし色で、量もたっぷりします。
しかし天候不順で雨や雪が降り続いたり、
飼主が体調不良で寝込んだりして散歩にいかないと、
テゾーロくんは家の中で丸1日うんちをしません。
また、2人お孫が遊びに来たときには
散歩に行ってもうんちをしませんでした。
こんな時には、犬がうんちをしようと何度も
しゃがみこんで息張りますが、固くてなかなか出ません。
しばらく固いうんちをしたかと思ったら、出血混じりなんてこともあります。
テゾーロくんが強く踏ん張らなくてもスムースに便をするためには、
どうしたらいいでしょうか?
A;
便秘症の犬には、食物繊維をたくさん与えます。
先ず、なぜ犬が便秘になったのかを飼主はよーく考えて見てください。
①散歩をしない、散歩量が少ないなど運動不足ではないか?
②休めない、眠れないなど睡眠不足ではないか?
③起床時間、散歩時間、食事時間など
1日のスケジュールが変わって、排便のリズムが乱れていないか?
④食事内容を急に変えたり、食物繊維不足ではないか?
⑤水分不足ではないか?
⑥ブラッシングやマッサージなどのお手入れ不足ではないか?
⑦誤って異物を飲み込んで、腸に詰ったりしてないか?
もし①〜⑦の項目に当てはまるようでしたら、飼主はそれを改善してあげて下さい。
犬はとてもデリケートな動物です。
テゾーロくんのように雨が降って散歩に行かなかったり、
孫が来て熟睡できなかったりしただけで、便秘になったりします。
これは犬が運動不足や睡眠不足になったり、
ストレスを感じたりすると、自律神経が乱れて、
腸の動きがおかしくなるからです。
便秘がちで、どうしてもうんちが出ないという犬には、
繊維質を多く含んだ食物をたっぷり与えて下さい。
キャベツ、ブロッコリー、サツマイモ、カボチャ、
バナナ、リンゴ、こんにゃくを主食に混ぜて食べさせて下さい。
食物繊維は消化されずに、腸の中で水分を吸収して膨らみ、
便の量を増やしてくれます。
その結果、腸を刺激して排便を促してくれます。
また、ヤクルトや豆乳、無糖のヨ−グルトを水で薄めて犬に飲ませるのも良いでしょう。
※テゾーロくん(体重40㎏)のために作った便秘改善食を紹介します。
●材料
鶏レバー(100g・111kcal)、
豚赤身(100g・151kcal)、
牛赤身(70g・221kcal)、
鶏の軟骨(50g・26kcal)、
キャベツ(60g・120kcal)、
ブロッコリー(60g・79kcal)、
カボチャ(60g・56kcal)、
にんじん(60g・22kcal)、
小松菜(60g・9kcal)、
バナナ(50g・43kcal)、
リンゴ(50g・27kcal)、
糸こんにゃく(50g・3kcal)、
おから(100g・89kcal)、
干ひじき(10g・14kcal)、
きな粉(10g・43kcal)、
擦りゴマ(10g・22kcal)、
オリーブオイル(7g・73kcal)、
豆乳(50g・23kcal)
●作り方
①鶏レバーと豚赤身、牛赤身は表面の汚れを取るために水で洗い、
冷水に浸して血抜きをします。
②フライパンを熱したら、オリ-ブオイルで①の肉の両面をしっかり焼き、
1cm角に切ります。
③ブロッコリーとサツマイモ、カボチャ、にんじんは賽の目に切ります。
キャベツと小松菜は千切りにします。
糸こんにゃくは1cm幅に切ります。
そして下茹でしてざるにあげます。
④バナナとリンゴは1cm角に切ります。
⑤③・④の野菜と果物をジュサーですりおろします。
⑥鶏の軟骨を下茹でし、食べやすい大きさに切っておきます。
⑦おからは乾煎りにします。干ひじきは磨り潰します。
⑧食器に②の肉を盛り付けて、
⑤の野菜と果物、⑥の鶏軟骨、⑦のおからと干ひじきを乗せます。
そして、その上から、きな粉擦りゴマ、豆乳をかければ出来上がりです。
※注意点
●テゾーロくん(体重40㎏)に必要なカロリー要求量は2080kcalです。
朝夕2回食事を与えますので、1回の食事のカロリー要求量は1040kcalです。
●濃い粉ミルクを犬に飲ませると、
腸が詰ってうんちが詰ってうんちが出なくなります。
このように、カルシウム過多でも便秘になります。
●ゴミあさりは、便秘、下痢、腹痛、嘔吐などの
病気の原因になりやすいので、
絶対にゴミあさりはさせないで下さい。
●散歩に行ってもうんちをしなっかった時、
犬がお腹を痛そうにしていなければ、1日様子を見てください。
食物繊維の多い野菜や果物をたっぷり与えた後、
いつも通りうんちが出て、元気そうにしていれば心配ありません。
便秘薬を勝手に飲ませたりしないで下さい。
●2〜3日うんちが出なければ、何らの異常が考えられます。
念のため、動物病院に犬を連れてって下さい。
(まめ知識)
●浣腸は犬の直腸を傷つけてしまうことがあるため、
犬には浣腸しないで下さい。
●便秘治療のためのミネラルオイルは
腸の消化機能を妨げるので投与しないで下さい。
●便が出なかったり、出にくかったりしたときは
次のような病気が考えられます。
会陰ヘルニア、前立腺肥大症、巨大結腸症、
骨盤の骨折、脊椎の骨折、子宮や膣の腫瘍や炎症など。
また、便秘だけでなく、嘔吐や食欲不振、
腹部の膨らみなどがあるときは、腸閉塞が疑われます。
すぐに動物病院に行きましょう。