股関節形成不全
愛犬の歩き方や座り方について疑問に思ったことはありますか?
もちろん異常ではなく『クセ』ということもありますが、もしかしたらそれは病気のサインかもしれません。
小さい頃からずっとこんな歩き方だから…と初期の症状を見過ごしてしまい、過剰な運動や負荷をかけてしまう
と進行を早めてしまうこともあります。
早期発見と早期治療、ご家庭でのケアによって大きな差が出てくるのが関節疾患です。
股関節形成不全とは
股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)は成長過程における股関節の形成異常が原因でおこる病気です。
股関節は、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつなぐ関節の構造が変化し、最終的に股関節の脱臼や関節炎などにつながります。発症の時期は生後6~9ヶ月頃が多いとされますが、超大型犬の場合は骨格が完全にできあがる2才頃までは発症の危険性があります。症状としては、横座り、モンローウォーク(腰を左右に振りながら歩く)や後肢の引きずりから始まり、進行してくると立ち上がりに時間がかるようになる、階段を嫌がるなどあきらかな運動障害が起こります。
では病気の進行のしかたと症状の変化について詳しく見ていきましょう。
犬は生後4ヶ月~1年の間で骨格が急成長します。そのため股関節形成不全の犬は骨と筋肉のバランスがとれなくなり、関節が不安定になってしまいます。
そうするとちょっとした運動でも関節への負荷がかかりやすくなって関節炎となり痛みが生じます。
また、症状として現れず成長している犬でもレントゲンでは異常が確認される場合もあります。
骨の成長が終了する1.5~2才頃になると筋肉の発達が追いつき関節のゆるみが安定することで痛みがなくなり、若齢期に症状のあった犬も治療や関節へのケアを怠ってしまいがちになりますが、この時期は特に大切です。
症状がないからといって安心してしまうのは禁物です。
ご家庭でのケアとして一番大切なのは体重の管理です。特にこの時期の体重のコントロールができるかできないかでその後の症状の出かたが変わってくると言っても過言ではありません。
フローリングで滑りやすければマットを敷いたり、爪の伸びすぎにも注意しましょう。
症状がなくても安心せず、成長期には股関節の状態をきちんと把握することが大切です。
運動も獣医師の指導のもと行うようにし、無理をさせないように気をつけましょう。
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