オリゴサッカライドはヒトにおいて
アトピーやアレルギーなどの臨床試験の結果があります。

(第35回日本小児アレルギー学会・食物アレルギー懇話会 : 1999年9月)
アレルギーの臨床 1998.18巻 12月臨時増刊号より
[アトピー性皮膚炎改善効果]

M皮膚科(北海道釧路市)の医師より「RFのアトピー性皮膚炎に与える影響」
とする研究が発表されております。

それによれば、

「腸内の常在真菌であるカンジダ菌を抑制することによる
アトピー性皮膚炎の治療効果を目指すために、甘い物、果物、アルコール過多
といったカンジダ増殖因子を除くべく患者に対してこれらの除去を指導した。

その上で1~2週間経っても改善効果が不十分な患者に対し、
上記の食事の改善は継続した上で1~2週間、最大6週間RFを投与、
腸内菌叢改善を通じてのカンジダ抑制効果の可能性に期待し、経過をみた。

投与量は大人における腸内細菌叢改善が期待出来る最小有効量、3.0g/日を基に
算出した。

結果、対象50例(平均年齢4.2歳、0~23歳男性23名・女性27名)
中著効22例(44%)、有効16例(32%)、無効12例(24%)、憎悪 0例(0%)。

有効率(著効+有効)は38例(76%)であった。
1例下痢が認められたものの投与量を軽減することで消失した。

RF投与による治療はナイスタチンによる抗真菌療法に比べて
効果はやや劣るが副作用は極めて少なく、より安全な治療と思われる。

RF抗真菌剤療法の効果がある理由は不明である。
腸内菌叢改善を通じて間接的にカンジダ菌を抑制することも考え得るが、
RFが直接カンジダ菌に作用する可能性も否定出来ない。」

としております。

腸管には、カビの1種であるカンジダが常在しています。
通常は、ビタミンB群などを私たちに供給してくれていますが
ある原因により、このカンジダ菌や病原性細菌である大腸菌などが増えすぎると
毒素を出して、アレルギー・アトピーの原因となったり、便通が悪くなるなど
多くの疾患や症状に関与してくるそうです。
(これは、ヒトでもワンちゃんでも共通して言えることです)

赤ちゃんの腸内環境は生後まもなくは乳酸菌などの善玉菌が大部分を占めているようですが
外から口に入るものによって、その比率が低下し、カンジダなどの菌が増えていくようです。

これは、私たちの腸内細菌の研究でも同様のことが確認されています。

そのため、腸管が未熟な離乳期では、カンジダが増えすぎると
腸の表面(腸管粘膜)が荒れてきます。

腸管粘膜がただれると、そこから大きな分子のままアレルゲンとなる
タンパクが吸収されるため、食物アレルギーを起こしやすくなります。

オリゴサッカライドの腸内環境を整える作用は、このような腸内のカンジダ菌の
異常増殖を抑えることによることが分かってきました。

通常ならば「抗生物質」などを使わなければなりませんが
まずはオリゴサッカライドなどでの自然治癒力を検討することも良い方法だと思います。