ピグrie1.jpg ポイント 最近のご質問で多いのは、ワンちゃん&ネコちゃんの 去勢♂ 避妊♀のお話。
一般の飼主さんがペットを飼う時に 避妊・去勢手術を行う事が今や常識となっていますが
それも 地域によって 多少 温度差はある様です。

特に 飼主さんが女性より男性の方が手術を拒むケースが多いのかなぁ~~と感じるのは
私だけでしょか?
発情時のわずらわしさをなくし、望まない子犬・子猫を増やさないようにする為にも
大事な事びっくり

さらに 性ホルモン由来の病気の発症を抑えることがその主な目的でありすが、
避妊・去勢手術を行う動物病院の獣医師の役割はとても重要だと思います。
避妊・去勢に関して言えば、飼主さんの頼りは、動物病院の獣医師にかかっています。

しかし、いざ手術のことをまじめに考えた時には、飼主さんは様々な疑問に行き当たる
様です。

私の経験が参考になるか否かは別として 少し書き出してみました。

スヌーピー Pasha の場合・・・。去勢♂

生後 4ヶ月で主治医の奨めで手術を決意しました。
初めは、Pasha の子供が欲しいなぁ~と思い躊躇しましたが
主治医から伺ったお話に同意できましたので、直ぐ行う事にしました。
今となっては 本当に良かったと思っています。
後悔はありません。

その理由は

1) マウンティングを全くしない。
2) マーキングを全くしない。
3) 威嚇をしない。(でも ビビリPasha は 怖くて吠える事は残念ながらあります)
4) ブリーダーさんからは 去勢は被毛に影響すると言われ反対されましたが
   去勢と被毛は別だと思われます。食事ケアできます。(←これは私の解釈)
   手術後は 被毛の艶や毛量が悪くなった様に感じますがこれは一過性の事だと
   私は感じます。
5) 発情の心配は全くありませんし、逆に♂に好かれる中性的な感じです。
6) Pashaを見てもわかる通り、睾丸の発育がないままの手術の為
   赤ちゃんの時と同じサイズで傷跡も無く 綺麗だなぁ~と感じます。
   これは、早い時期の手術のお陰だと思っています。

逆に デメリット・・・。
私にとってのデメリットはありませんが Pasha はどうだったのかなぁ~~と思うと
それは、自然な事ではありませんし、Pashaの気持ちを聞かない限り
私にはわかりません。

でも、お散歩中に手術をしてない子をみかけるのですが 常に発情しており威嚇もあり
興奮を自身で止められず いつも アヘアヘしている感じです。
もし、その本能が叶うなら、手術をしない方が良いと思いますが、
決まって 飼主さんは、マウンティングしている我が子を叱り、
アヘアヘ言っていればそれも叱り、威嚇すれば お友達も出来ず 寂しいお散歩になります。
そちらの方がずっと見ていて可哀想だなぁ~と私は感じます。

でも、あえてデメリットをあげるとするなら 太りやすくなりますので、お食事のサポートは
必要だと思われます。

ファンキーフェイス 手術の時期はいつが良いの?

かつて避妊手術、去勢手術は体が一通り大人になって、体力的にも十分出来上がってから、
というのが一般的でした。すなわち、♀であれば初回の発情を迎えたあと(生後8ヵ月以降)、
♂であれば生後12ヶ月後くらいに手術が望ましいとされていました。

しかし最近のデータでは、性ホルモンが出る前(生後4ヶ月くらい)のほうが 
性ホルモン由来の病気を防ぐ事が出来るとして推奨されるようになった。

また、高齢になったときの乳癌発生率が、発情前に避妊手術をした時と、
数回発情後に行った時では 有意に差が見られるということが最近の研究で
明らかとなったのもその理由の1つです。

たかが避妊・去勢手術といっても学説は日々変化しており、正しいエビデンスに基づく
手術法を提案できる獣医師を、やはり飼主さんは 選ばなければならないことになります。

ファンキーフェイス どの様な手術なのか?

通常、避妊手術は卵巣と子宮を同時に摘出する、もしくは卵巣のみを摘出します。
去勢手術は左右の睾丸を摘出する。どの動物病院も行う行為に大差はない筈ですが
たまに「避妊手術を受けたのに、そのあとでも発情が来た」などの問題が
発生する事があるそうです。

手術を行う前には「どの部分をどのように手術するのか」ということを飼主さんはきちんと
説明をうけておくべきです。

切開する場所や大きさはそれぞれの病院によって若干の違いがあり、飼主さんは傷口の
大きさだけで獣医師の腕を判定しがちであるが、傷口が小さければそれだけ手探りで
腹部内の手術を行うということでもありますので、あながち「小さければよい」とも言えないそうです。
また、避妊・去勢手術は病気ではないため、生死とは無関係な手術だと思っていらっしゃる
飼主さんもいらっしゃるそうですが、全身麻酔をかけ、体の一部にメスを入れる以上、
100%安全という事はありえません。
表面に現れない疾患による麻酔事故もしばしば見られるそうです。

最近では、動物医療も、医療過誤訴訟の対象となることが常識化しており、医療費の返還請求の上に慰謝料分まで保障させられる判決が定着しだしています。

ファンキーフェイス 手術の費用が病院によって差があるのは何故?

手術費用のことを調べてみるとびっくりするような事実に突き当たります。
それぞれの病院で手術料が全く異なります。
猫の避妊手術をみても、1万円のところもあれば10万円を越すところも存在します。
いったいこの違いはどこからくるのでしょうか?
人の病院と異なり、動物病院はどこも自由診療です。
診療内容とその金額設定は各動物病院にまかされているのです。
そこで 「安全性にどこまでお金をかけるか」ということになります。
手術そのものを考えてみたときにも、全身麻酔薬の種類だけで何種類もあるそうです。
コントロールの難しい注射麻酔なのか、最新の吸入麻酔薬を用いるのかだけでも
その安全性と金額には大きな違いがあるそうです。また、術中の呼吸や心臓の様子も
同時にチェックできる麻酔モニターを使用するのか、最新のレーザーメスを使うのか、
何人で手術を行うのか、そのうち獣医師は何名なのか、など違いはあります。
さらに、術後のケアの差があります。入院設備や入院日数も各病院でかなり違っています。
手術後そのまま帰宅可能で翌日よりお散歩されているワンちゃんがいますし、
Pashaの様に抜糸まできちんと入院管理したほうがよいという考え方で入院をさせる病院。
さらに退院前に体を綺麗にグルーミングしてくれるところもあるのだとか・・・。
どんな手術にも「絶対」は存在しないので、高額の手術費を支払って安心を得るのか、
そこそこの費用を払ってそこそこの安心を得るのか、とりあえず最低限の事だけをするのかは
飼主さんの考え方だと思います。
避妊・去勢手術は、飼主さんにとってもワンちゃんネコちゃんにとっても一生に一度の大切な事。
金額に見合った正しい手術を行ったと納得できるだけのインフォームドコンセントを受ける事が
後悔しない ワンちゃん、ネコちゃんを飼い始めた 最初の手術ですから・・・・。
何回も何回も考えて頂けたら嬉しいです。

今 ワンちゃん、ネコちゃんの癌の事を色々と教えて頂いておりますが
犬の癌の専門医、日本獣医生命科学大学獣医放射線学教室准教授の藤田先生も 
特に♀の避妊手術は、エストロゲンという卵巣から出るホルモンに依存し、

乳腺腫瘍・乳癌の発生率は、発情期以前に避妊した雌犬では約 0.5%、
1回目の発情期で避妊した場合は約 0.8%、2回目以降に避妊した場合は約 26%になるそうです。
早くから避妊手術をした♀犬には発生が少ないと言われます。

色々なご意見があるかと思いますが 未然に防げる 病気・・・。なのかもしれません。