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犬は感情が豊かな動物として
愛されています。

平等に扱っておくれよ、という犬の気持ちを
実験した研究者が結果を発表しました。
不公平に扱われてしまったワンちゃんは
かわいそうなのですが、ちょっとおもしろい試みなので
紹介したいと思います。

人間の最良の友は、芸をするときに公平な扱いを
求めている、とオーストリアのウィーン大学にある
クレバー・ドッグ研究所の犬専門認知科学者が報告している。

これを検証するために、オーストリアの認知科学者たちは、
人の前に2匹の犬を並ばせた。どちらの犬からも、
(おいしそうな)ソーセージやこんがりと焼けた食パンという
御馳走がいっぱい入ったボールがはっきり見えた。

2匹の犬は「お手」をするよう求められた。
研究チームは、様々な状況下で2匹が(30 回中)
何回お手をしたかを調べた。

御馳走がいっぱいある状況では、2匹とも
ほぼ毎回お手をした。
御褒美を与えないときは、
2匹は30回中20回しかお手をせず、
ご褒美をねだってひときわよく吠えた。

だが、1匹だけにご褒美を与えると、
御褒美をもらえなかった犬は
12回しかお手をせず、他のどのテストのときよりも
著しく動揺を示した。

Bekoff氏によると、同氏がこれまで研究してきた
オオカミやコヨーテといった社会的動物は、群れの中で
自分がどの程度仲間に協力しているかを示すために、
仲間の合図を読み取る能力を進化させなければならなかったという。

フロリダ大学の心理学者Clive Wynne氏はAPに対し、
この実験が公正さの感覚を測定しているかどうかについては
疑問があると述べているが、Bekoff氏は、
動物は「自分が不公平に扱われていることを感じる」こと自体に
意味があると述べている。

人間と同じような認識能力や感情が、
あらゆる種類の哺乳類に存在していることが
諸研究から明らかになってきており、
人間は自分たちにしかないものを受け入れる必要がある、とBekoff氏は言う。

「人間は2つの分野において、独特な生き物だ。
つまり人間は、私が知るなかで、料理を作り、邪悪に走る
という信じられない傾向がある唯一の種だ」とBekoff氏は述べた。