■「二度なし現象」

 コッホをトップバッターとして、多くの研究者たちによって
 次から次へと病原微生物が明らかにされていった19世紀末
 フランスにルイ・パスツール(1822~1895)が登場します。

 伝染病から回復した人は、再びその病気にかかっても
 致命的には成らないことに最初に気づいたのは
 紀元前の歴史家トゥキュディデスといわれています。

 パスツールはその鋭い観察を「二度なし現象」として再発見します。

 まず鶏に、コレラを起こす病原微生物を無毒化して注射してみました。
 そうすると鶏はコレラに鶏はコレラに罹りにくくなりました。

 また狂犬病の病原成分を無毒化して狂犬病の犬にかまれた人に
 注射して狂犬病の発病を予防することができました(1885)。

 パスツールはある人物に敬意を表し
 この予防法にワクチン療法という名前をつけました。