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画面右上の天井の一部が上にあくようになっている。
説明を伺って胸が傷んだ・・・吉野川~四国三郎は昔大変な暴れ川だった。
毎年大洪水で家が流れることはどうも当たり前なほどに起きていたようだ・・・・。

大水が来るとこの天井板をあげて屋根にかき登り
屋根瓦の上に作られたもう一つのカヤ屋根にまたがり落ちないように
つかまって流れるところまで流されて助かる事もあった為に作られた
いわば緊急避難の出入り口だったのだ。

もちろんそれで毎年亡くなる方も多かったようだ・・・。
その代わり上流から豊かな土が流れ出てきて
藍栽培には非常に適した土壌だったと伺った。

この藍の伝統でさえもが沢山の命の果てにあると思うと・・・
昔の天変地異のたびに捧げられた人身御供を思い出して
なんとも厳粛な思いで古びた天井板を見つめてしまった。

地図でこの館から二すじほど隔てて
藍畑小学校というのを見つけた。
このあたり一面が藍の畑でその小作の人たちが
さまざまな作業も含めて大水のくるぎりぎりまで
其処にいなければならなかったのかもしれない・・・・・。