学会発表というと一般の方は難しく聞こえますが、
ヒト・動物に関わらず最先端の医療情報が発表されますので、
医療従事者だけでなく飼い主さんもできるだけ興味をもっておいたほうが
「いざという時」に便利です。
抄録(学会で発表された内容は一冊にまとめられ教科書のようなものになります)
の内容は医学用語でいっぱいですが、
日本語で書かれているので慣れれば読みこなすことが誰でも可能です。
とくに医療関係の学会はヒト・動物の生死に関わる最新の情報がいっぱい詰まっていますので、
見る機会があれば参加されることをおすすめします。
ただ業界の悪いところで、とくに医療業界は閉鎖的で、
仮に一般の方が参加できるとしても出席のための費用が高く、
数万円掛かることも少なくありません。
ヒト医療においても動物医療においても、
一般の方が参加できる学会が多くなれば情報開示の枠が広がると思います。
17年11月19日・土曜日
大阪国際会議場にて第26回・動物臨床医学会年次大会が開催されました。
演者(発表する人)と聴講者は大学の先生、学生、企業の研究者で、企業ともなると共立製薬や明治製菓など、バリバリの大手企業ばかりでした。
【動物用サプリメントの一般演題】
①痴呆犬の夜鳴きに対するサウスアフリカ茶の効果
(協和醗酵工業株式会社・島田健次郎)
②血小板凝集能判定値とパンフェノンの効果
(有限会社スケアクロウ・大川 博)
③ラクトフェリンの体内移行と脂質代謝改善作用
(酪農学園大学・原田悦守)
④ポメラニアンのAlopecia X-Rhizopus
麹生理活性物質を用いた新しい治療法の試み
(しのざき動物病院・阿部 嗣)
⑤生薬学による天然薬霊芝(動物サプリメント)の同定と安定性と安全性
(微小循環研究所・森 昌夫)
⑥犬の皮膚症状に対するカモミンの臨床効果
(川崎三鷹製薬株式会社・渡辺典夫)
⑦犬の高脂血症に対するポリフェノールとω3多価不飽和脂肪酸の併用効果
(鳥取大学・日笠喜朗)
⑧イヌにおけるβ-サイクロデキストリンおよび桑の葉エキス含有サプリメントの抗肥満効果の検討
(日本獣医畜産大学・岩瀬健二)
ご覧いただいてわかるように、8演題のうち、名のある先生方の発表がその7演題となっております。
中小企業における発表は私一人だけでした。
他7演題を簡単に解説いたしますと次のようになります。
① 南アフリカ原産のサウスアフリカ茶が痴呆犬の夜鳴きに効果がみられる

③ ラクトフェリン(新生児が初めて母親から乳を吸った時に含まれる成分)を動物に投与するとコレステロール値が低下する
④ ある麹菌から採れる成分がポメラニアンの皮膚疾患に有効である
⑤ キノコの一種である霊芝がコレステロール値を低下させる
⑥ カモミールというお茶がアトピー性皮膚炎に有効である
⑦ リンゴから採れるポリフェノールと不飽和脂肪酸を併用すると高脂血症に効果がみられる
⑧ 環状オリゴ糖(サイクロデキストリン)は肥満に効果がある
発表の演題をそのままみると非常に難しく見えますが、噛み砕いて言うと上記になります。
日頃の生活・食事に気をつけてみることも大切です。
そして②番めの演題
「血小板凝集能からみたパンフェノンの効果」で正体があきらかに!つづく