脂肪酸は、脂肪の主要な成分です。
脂肪酸は持っている炭素原子の数によって短鎖・中鎖・長鎖脂肪酸に分けられます。
また、脂肪酸は、飽和(2 つの炭素間に二重結合がない)脂肪酸
不飽和(1 つから6 つの二重結合を伴う)脂肪酸に分類されます。
不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に比べ酸化の影響を受けやすいのですが、
生体機能に不可欠な脂肪酸を多く含んでいます。

体内における作用として、飽和脂肪酸はエネルギー源として重要な役割を持ちます。
不飽和脂肪酸の機能は細胞膜あるいは血中リポタンパク質に取り込まれる事で発生します。
不飽和脂肪酸には、体内で合成することができない、体内で重要なはたらきを持つ
オメガ3系及びオメガ 6系の系統が含まれています。

* オメガ3系脂肪酸は、必須脂肪酸であり、体内で合成することができません。
  オメガ3系脂肪酸は構造上二重結合を3つ含み、炭素数18の脂肪酸である
  リノレン酸に由来します。さらに長鎖でリノレン酸に由来する他の脂肪酸として、
  EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の二つがあります。
  ・オメガ3系脂肪酸は、抗炎症性の物質で、ある種の炎症性化学物質の
   合成を抑制します。
  ・オメガ3系脂肪酸は、犬の活動性と脳の酸素処理能力を増強します
   (特に高齢の動物)。
  ・オメガ3系脂肪酸は、子犬の学習能力の促進に役立ちます。
  ・オメガ3系脂肪酸は海洋系(魚油)に由来しますが、大豆油に
   含まれているものもあります。

* オメガ6系脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種として、犬や猫にとって
  必ず食べ物から摂取する必要のある栄養素です。
  犬や猫の体内ではリノール酸→γ – リノレン酸→アラキドン酸と代謝されます。
  ・オメガ6系脂肪酸は、体内で免疫の働きに関係するほか皮膚の健康や毛ヅヤ、
   生殖器系に良好なはたらきがあります。
  ・オメガ6系脂肪酸は、植物性の油脂などに限定して存在します。

* 注) ワンちゃんを基準として記載